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三菱重工の防衛宇宙セグメントとは?事業内容と最新動向を解説

宇宙安全保障

この記事のポイント

三菱重工の防衛宇宙セグメントは、戦闘機や艦艇、ミサイル、H3ロケットなどを手掛け自衛隊装備の約3割を担う国内最大の防衛事業。2025年4月に航空・防衛・宇宙セグメントへ再編され、防衛費増加を背景に受注を大きく伸ばしている。

三菱重工の防衛宇宙セグメントとは?事業内容と最新動向を解説

「三菱重工の防衛宇宙セグメントという言葉を目にするけれど、どんな事業で、なぜ注目されているのかがよくわかりません」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • 三菱重工の防衛宇宙セグメントの位置づけと再編
  • 戦闘機や艦艇、H3ロケットなど主な事業内容
  • 受注拡大の背景と今後の成長の見通し

三菱重工の防衛宇宙セグメントとは、戦闘機や艦艇、ミサイル、ロケットなど、防衛と宇宙にかかわる装備品を手掛ける事業のまとまりです。

この記事を読むことで、三菱重工の防衛宇宙セグメントが何を担い、なぜ業績を伸ばしているのかを整理して理解できます。まずはセグメントの基本から見ていきましょう。

三菱重工の防衛宇宙セグメントとは

三菱重工の防衛宇宙セグメントとは、宇宙防衛を含む防衛と宇宙に関わる装備品を開発し供給する事業のまとまりです。同社は国内最大の防衛企業とされ、この分野が近年の業績を大きく押し上げています。ここではセグメントの位置づけと再編、業績の伸びを見ていきます。

防衛宇宙セグメントの位置づけ

三菱重工は、エネルギーから機械、航空宇宙まで幅広い事業を持つ総合重工業メーカーです。その中で防衛と宇宙の事業は、日本の安全保障を支える中核として重要な位置を占めています。

三菱重工は自衛隊の装備体系のおよそ3割を担うとされ、国内最大の防衛企業に位置づけられています。戦闘機から艦艇、ロケットまで、陸海空と宇宙のすべての領域にまたがる点が大きな特徴です。

航空・防衛・宇宙セグメントへの再編

三菱重工は2025年4月から、報告する事業区分を四つのセグメントに再編しました。防衛と宇宙の事業は、この再編で新設された航空・防衛・宇宙セグメントに含まれています。

新しい区分は次のとおりです。

セグメント主な事業
エナジーガスタービン、原子力
プラント・インフラ製鉄機械、橋梁、空調
物流・冷熱・ドライブシステムフォークリフト、過給機
航空・防衛・宇宙戦闘機、艦艇、ロケット、衛星

この再編により、民間航空機と防衛、宇宙の事業が一つのまとまりとして扱われるようになりました。防衛宇宙セグメントという呼び方は、この航空・防衛・宇宙のうち防衛と宇宙の部分を指すものと考えると分かりやすいです。

業績と受注の伸び

防衛宇宙の事業は、三菱重工の業績を力強くけん引しています。防衛費の増加を背景に、防衛と宇宙の受注は大きく伸びました。25年3月期の防衛と宇宙の受注高は、防衛費増額前の3倍を超える規模に達したとされています。

会社全体でも2025年度の受注高は7兆6536億円にのぼり、前年度から2割増えました。受注残高は13兆円を超え、当面の事業を支える厚い基盤となっています。

三菱重工の防衛事業

三菱重工の防衛事業は、陸海空のあらゆる領域に及びます。戦闘機や艦艇、ミサイルまで、自衛隊の主要な装備品の多くを手掛けている点が特徴です。ここでは代表的な防衛事業を見ていきます。

戦闘機と航空機

三菱重工は、日本の戦闘機開発を長く担ってきました。太平洋戦争期の零戦から戦後のF-2まで、航空機づくりの技術を受け継いでいます。

現在は、日本、英国、イタリアが共同で進める次期戦闘機の開発に、日本側の中心企業として参加しています。長年培った設計と製造の技術が、無人化やステルス化といった最新の潮流に応える力になっています。

艦艇と潜水艦

海の装備でも三菱重工は重要な役割を果たしています。海上自衛隊向けの護衛艦や潜水艦を設計し建造してきました。

近年はデジタル技術を取り入れ、艦艇の高性能化を進めています。護衛艦や潜水艦は高度な技術のかたまりであり、長期にわたる建造と維持を担える企業は限られます。三菱重工はその中核を担っています。

ミサイルと誘導武器

三菱重工は、ミサイルや誘導武器の分野でも中心的な存在です。地対空や艦対空など、さまざまな誘導弾を開発し製造しています。

近年は相手の射程外から攻撃できる長射程のミサイルの開発も進められています。防衛力の抜本的な強化のもとで、こうした装備への需要が高まり、三菱重工の受注拡大につながっています。

三菱重工の宇宙事業

三菱重工の宇宙事業は、日本の宇宙開発の土台を支えています。ロケットの打ち上げから衛星の運用まで幅広く手掛け、防衛の宇宙利用にも深く関わっています。ここでは代表的な宇宙事業を見ていきます。

H3ロケットの開発と打ち上げ

三菱重工の宇宙事業を代表するのが、大型ロケットのH3です。同社は開発から製造、打ち上げサービスまでを一貫して担うプライムコントラクター、いわゆる主契約者を務めています。

H3はH-IIAロケットの後継として開発され、2024年2月の2号機で打ち上げに成功しました。その後も打ち上げを重ね、本格的な運用の段階に入っています。日本が自立して衛星を宇宙へ運ぶ手段として、重要な役割を担います。

人工衛星と警戒監視

三菱重工はロケットだけでなく、衛星の打ち上げを通じて安全保障にも貢献しています。警戒監視を担う衛星を軌道へ運び、情報収集や偵察の能力向上を支えています。

宇宙空間を監視する仕組みづくりにも関わっています。衛星や地上の設備を組み合わせ、不審な衛星やスペースデブリなどを対象とした防衛省の宇宙状況監視の取り組みが、宇宙の安全な利用に役立っています。

宇宙分野の今後の展開

宇宙分野は、三菱重工が今後の成長を見込む領域です。防衛省が多数の小型衛星を連携させる計画を進めるなど、宇宙関連の需要は拡大しています。

打ち上げの需要が世界的に高まる中、三菱重工はH3の打ち上げ能力を生かして受注を狙っています。国内の防衛用衛星に加え、商業衛星の打ち上げも視野に入れ、宇宙事業の拡大を目指しています。

防衛宇宙セグメントを取り巻く動向

三菱重工の防衛宇宙セグメントは、追い風と課題の両方に直面しています。防衛費の増加が受注を押し上げる一方、国際共同開発や人材の確保といった論点も抱えています。ここでは事業を取り巻く動向を見ていきます。

防衛費の増加と受注の拡大

最大の追い風が、防衛費の増加です。2026年度の防衛関係予算は9兆353億円にのぼり、12年連続で過去最大を更新しました。安全保障環境の厳しさを受け、装備品への投資が続いています。

三菱重工は自衛隊装備の中核を担うため、この予算増加の恩恵を大きく受けています。ミサイルや艦艇、宇宙関連の受注が伸び、防衛宇宙の事業が会社全体の利益をけん引しています。

次期戦闘機の国際共同開発

事業の将来を左右する大きな取り組みが、次期戦闘機の国際共同開発です。日本、英国、イタリアの3か国が協力し、2035年の配備を目指して開発を進めています。

三菱重工は日本側の中心企業として参加しています。1国だけでは負担が重い開発費や技術を分担できる利点がある一方、各国の調整や仕様のすり合わせといった難しさもあります。この開発の成否が、同社の航空事業の今後を大きく左右します。

事業が抱える課題と成長の見通し

好調な一方で、課題も残ります。装備品の生産には高度な技術を持つ人材と、多くの部品を支える供給網が欠かせません。人材の確保や協力企業の維持が、安定した生産を続けるための鍵になります。

それでも、防衛力の強化と宇宙利用の拡大という流れは当面続くと見られています。防衛宇宙セグメントは、三菱重工の成長を支える中核として、その重要性を一段と高めています。

まとめ:三菱重工の防衛宇宙セグメントは日本の防衛と宇宙を支える中核である

ここまで、三菱重工の防衛宇宙セグメントの位置づけと再編、防衛と宇宙の事業、そして取り巻く動向までを見てきました。三菱重工の防衛宇宙セグメントは、戦闘機や艦艇、H3ロケットなどを手掛け、日本の防衛と宇宙を支える中核です。

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • 防衛と宇宙の事業は航空・防衛・宇宙セグメントに再編された
  • 戦闘機や艦艇、ミサイル、H3ロケットまで幅広く手掛ける
  • 防衛費の増加を背景に受注が拡大し業績をけん引

この記事を通じて、三菱重工の防衛宇宙セグメントが何を担い、なぜ業績を伸ばしているのかを整理して理解できたはずです。安全保障環境が厳しさを増す中、この事業が持つ重要性と将来性は今後さらに高まります。

三菱重工や宇宙防衛の産業動向についてさらに詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。関連する資料もご用意していますので、あわせてご活用ください。

三菱重工の防衛宇宙セグメントに関するよくある質問

参考文献

  1. 宇宙開発・防衛(三菱重工業 公式)
  2. 2025年度決算説明資料(2026年5月 三菱重工業)
  3. 航空・防衛・宇宙 セグメント別業績(三菱重工業 IR)

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執筆者

Space With 編集部
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「宇宙ビジネスを、ビジネスとして読む。」をコンセプトに、国内外の宇宙産業(衛星・ロケット・宇宙データ・月面開発等)の動向を追う専門記者・アナリスト集団。AI時代に信頼される一次情報源を目指し、ファクトとデータに基づく客観的な分析・解説を日々お届けします。

監修者

Space With リサーチチーム
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リサーチチーム

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