Space With宇宙ビジネスを、いまデータで加速させる。

HISの宇宙旅行とは?費用・申し込み状況・他社との違いを解説

宇宙探査・有人宇宙

この記事のポイント

HISの宇宙旅行はスペースパースペクティブ社提携の気球型成層圏旅行で費用は1人12万5000米ドル程度。提携先の破産・事業譲渡により2026年時点で新規申し込みは停止中。ヴァージンギャラクティックとは別会社で日本窓口も異なる。

HISの宇宙旅行とは?費用・申し込み状況・他社との違いを解説

「HISで宇宙旅行という言葉を見かけたけれど、実際にどんな商品で、いくらかかって、今も申し込めるのか知りたい」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • HISが提供する宇宙旅行商品の内容と提携先
  • 費用や申し込み条件、現在の提供状況
  • ヴァージンギャラクティックとの違いと窓口の見分け方

HISが取り扱う宇宙旅行は、気球型宇宙船で成層圏まで上昇する体験で、提携先の事業再編により現在は新規募集が止まっています。

本記事を読むことで、HIS宇宙旅行の商品内容と費用、現在の申し込み可否、そしてヴァージンギャラクティックとの違いまで正確に把握できます。誤解しやすいポイントも整理しているので、最後まで読み進めてください。

HISが宇宙旅行で提供している商品とは

HISが宇宙旅行として案内しているのは、気球型の宇宙船で成層圏まで上昇する体験です。ロケットで軌道に乗るタイプの宇宙旅行とは仕組みが異なるため、まずは商品の中身を正確に押さえておきましょう。

気球型宇宙船スペースシップネプチューンの体験内容

HISが扱う宇宙旅行の主役は、気球型宇宙船「スペースシップネプチューン」です。専用の与圧キャビンを大型気球で吊り上げ、高度約30キロメートルの成層圏まで運びます。

飛行時間は離陸から着陸まで約6時間で、上昇に約2時間、最高高度での滞空に約2時間、下降に約2時間という配分です。無重力状態にはならないものの、地球の丸みや漆黒の宇宙空間を眺められる点が魅力とされています。

キャビンには最大8名が搭乗でき、Wi-Fiも備わっています。事前の宇宙飛行士訓練が不要で、年齢や体重による制限もない点は、ロケット型の宇宙旅行と大きく異なる特徴です。

提携先スペースパースペクティブ社の概要

スペースシップネプチューンを開発しているのは、アメリカのスペースパースペクティブ社です。同社は気球を使った成層圏旅行に特化したベンチャー企業で、無重力を伴わない分、参加のハードルを下げた商品設計を掲げてきました。

HISはこのスペースパースペクティブ社と提携する形で、日本国内における宇宙旅行商品を案内しています。旅行代理店であるHISが自ら宇宙船を開発しているわけではなく、あくまで提携先の商品を取り次ぐ立場という点は押さえておきたいところです。

HISが持つ日本国内での販売権

HISの米国法人は2022年9月、スペースパースペクティブ社と契約し、日本とカナダにおける販売権を3年間の独占契約で獲得しました。日本国内での申し込み対応は、HISグループの子会社が担っています。

項目内容
提携先スペースパースペクティブ社(アメリカ)
商品名スペースシップネプチューン(気球型宇宙船)
販売権の範囲日本・カナダ(3年間の独占契約、2022年9月締結)
飛行時間約6時間(上昇2時間・滞空2時間・下降2時間)
最高高度約30キロメートル(成層圏)

こうして見ると、HISの宇宙旅行はロケットで軌道へ向かうタイプではなく、気球で成層圏の入り口まで到達する体験旅行という位置づけになります。

HISの宇宙旅行にかかる費用と申し込み方法

HISの宇宙旅行を検討するうえで気になるのが、宇宙旅行の費用の総額と申し込みの条件です。ここでは公表されていた金額と申し込みの流れを整理します。

旅行代金と申込金の内訳

旅行代金は1人あたり12万5000米ドルで、日本円にすると為替レートによって変動しますが、おおむね1600万円から1800万円程度とされてきました。これに加えて、申込金が1000から2万5000米ドル、手配料が1人あたり55万円ほど必要になる仕組みです。

搭乗時期によって申込金の金額が変わる点は、一般的な旅行商品とは異なる部分といえます。将来の宇宙旅行の費用の変動なども考慮しつつ、まとまった予算が必要になるため、申し込みを検討する際は総額を事前に確認しておくことが欠かせません。

費用項目目安
旅行代金1人あたり12万5000米ドル
申込金1000〜2万5000米ドル(時期による)
手配料1人あたり55万円

参加できる人と申し込み条件

参加条件は18歳以上であることが基本で、宇宙飛行士のような特別な訓練は求められません。一般人の宇宙旅行を前提とした無重力状態にならない飛行方式のため、年齢の上限や体重による制限が設けられていない点も特徴です。

健康状態に関する簡単な確認は必要になりますが、ロケット型の宇宙旅行に比べると参加のハードルは低く設計されています。とはいえ長時間のフライトになるため、体調面での自己申告は正直に行うことが望ましいといえます。

予約から搭乗までの流れ

申し込みの流れは、まず申込金を支払って予約を確定し、搭乗日が近づいた段階で残額を支払うという一般的な旅行商品に近い形式です。搭乗枠には限りがあり、過去には特定の年度分が早期に埋まったこともありました。

搭乗可能な時期は数年先まで設定されることがあり、申し込んでからすぐに搭乗できるとは限りません。予約状況や搭乗時期は変動するため、申し込み前に最新の空き状況を必ず確認する必要があります。

こうした費用と条件を踏まえると、HISの宇宙旅行はまとまった予算と、数年単位の待機を見込んで検討する商品であることがわかります。

HISの宇宙旅行は今も申し込めるのか

HIS経由での宇宙旅行に興味を持った人が最も知りたいのは、2026年時点で実際に申し込めるのかという点でしょう。結論からいうと、提携先の事業再編により、以前と同じ形での新規申し込みは難しい状況です。

スペースパースペクティブ社の事業再編の影響

スペースパースペクティブ社は2025年に入り経営が悪化し、破産手続きの中で事業がスペインの航空宇宙企業イオスエックス社に譲渡されました。イオスエックス社はアメリカを拠点に事業を引き継ぐ方針を示していますが、既存の顧客契約や予約データベースは新会社に引き継がれない扱いとされています。

これまでスペースパースペクティブ社に支払われていた顧客の預り金は、破産手続きの管財人のもとで管理されている状況です。旅行商品の土台となっていた提携先そのものが体制を大きく変えたため、HISが案内していた宇宙旅行商品も影響を受けています。

既存予約者への対応状況

新会社であるイオスエックス社は、既存の契約を引き継がない方針を示しており、これまでの予約がそのまま有効かどうかは不透明です。HISや日本国内の窓口を通じて申し込んでいた人への具体的な対応方針は、2026年時点で公式に詳細が確認できていません。

すでに申し込みを済ませている人は、契約を交わした窓口や旅行代理店に直接問い合わせ、預り金や予約の扱いについて最新情報を確認することが重要です。

今後の販売再開の見通し

イオスエックス社は、正式な販売再開に先立って顧客体験や商品内容全体を見直している段階にあるとしています。フロリダの拠点で近宇宙飛行を、カリフォルニアの拠点で機体の組み立てを行う体制を継続する方針です。

新体制のもとで日本向けの宇宙旅行はいつから再開されるのか、どのような条件になるかは、2026年時点では明らかになっていません。HIS経由での申し込みを検討している場合は、公式サイトや窓口からの最新情報を確認したうえで判断する必要があります。

時期状況
2022年9月HISがスペースパースペクティブ社と日本・カナダの販売権契約を締結
2025年スペースパースペクティブ社の経営が悪化し破産手続きへ
2025年7月イオスエックス社が事業を取得、既存契約は引き継がない方針
2026年時点新体制での販売再開時期は未公表

こうした経緯を踏まえると、HISの宇宙旅行商品は現時点で確実に申し込める状態にはなく、今後の公式発表を待つ必要がある商品といえます。

HISとヴァージンギャラクティックの違い

「HIS 宇宙旅行」で検索すると、ヴァージンギャラクティックの情報が一緒に出てくることがあります。両社は提供する商品も窓口も異なるため、ここで整理しておきましょう。

ヴァージンギャラクティックの宇宙旅行の概要

ヴァージンギャラクティックは、専用の母機とロケット推進の宇宙船を使い、高度80キロメートル以上まで到達するサブオービタル飛行を提供する企業です。飛行中には数分間の無重力状態を体験でき、費用は60万米ドルを超える水準とされています。

HISが扱う気球型のスペースシップネプチューンとは異なり、ロケット推進によって実際に無重力を伴う宇宙空間へ到達する点が大きな特徴です。

日本国内の正規窓口はクラブツーリズム

日本国内でヴァージンギャラクティックの宇宙旅行を申し込む場合の正規窓口は、クラブツーリズムです。クラブツーリズムはヴァージンギャラクティックと独占販売契約を結んだ代理店で、日本語での相談や申し込みサポートを行っています。

HISはこのヴァージンギャラクティックの販売とは関わっておらず、扱っているのはあくまでスペースパースペクティブ社の気球型商品という点を押さえておく必要があります。

HISと混同されやすい理由

HISとヴァージンギャラクティックが混同されやすいのは、どちらも民間の宇宙旅行として扱われることが多く、旅行代理店を通じて申し込む仕組みが似ているためです。加えて、両社の商品がニュースで同時期に取り上げられることも多く、情報が整理されないまま検索されるケースが目立ちます。

宇宙旅行を検討する際は、まず自分が調べている商品がどの企業のものかを確認し、正規の窓口を通じて最新情報を得ることが失敗を防ぐポイントです。

比較項目HIS(スペースパースペクティブ社)ヴァージンギャラクティック
飛行方式気球型、最高高度約30キロメートルロケット推進、高度80キロメートル以上
無重力体験なしあり(数分間)
日本の窓口HISグループクラブツーリズム
費用の目安12万5000米ドル程度60万米ドル超

このように、HISとヴァージンギャラクティックは提供する体験も申し込み窓口もまったく別のものです。

まとめ:HISの宇宙旅行は成層圏へ気球で向かうプランで現在は再開待ちの状態

本記事では、HISが案内する宇宙旅行の商品内容、費用と申し込み条件、現在の提供状況、そしてヴァージンギャラクティックとの違いを解説してきました。HISが取り扱うのは気球型宇宙船スペースシップネプチューンによる成層圏旅行で、提携先の事業再編により2026年時点では新規申し込みが止まっています。

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • HISの宇宙旅行はスペースパースペクティブ社と提携した気球型の成層圏旅行
  • 費用は1人あたり12万5000米ドルが目安で、事業再編により現在は申し込みが止まっている
  • ヴァージンギャラクティックとは別会社で、日本の正規窓口はクラブツーリズム

こうした違いを理解しておけば、HISの宇宙旅行について検索したときに、どの企業のどの商品を指しているのか迷わずに判断できるようになります。

宇宙旅行や宇宙ビジネスに関する正確な情報を継続して知りたい方は、当メディアの記事もあわせてご活用ください。

HIS宇宙旅行に関するよくある質問

参考文献

  1. HIS宇宙旅行|HIS
  2. Troubled balloon-tourism pioneer Space Perspective bought by Spanish company|Space.com
  3. Space Perspective|Wikipedia

この記事を引用する

執筆者

Space With 編集部
Space With 編集部

編集部

「宇宙ビジネスを、ビジネスとして読む。」をコンセプトに、国内外の宇宙産業(衛星・ロケット・宇宙データ・月面開発等)の動向を追う専門記者・アナリスト集団。AI時代に信頼される一次情報源を目指し、ファクトとデータに基づく客観的な分析・解説を日々お届けします。

監修者

Space With リサーチチーム
Space With リサーチチーム

リサーチチーム

専門アナリストらと提携し、データ収集・分析を行うSpace Withの専門調査部門。国内外の宇宙政策、政府予算、資金調達動向、技術トレンドの定量的な分析とファクトチェックを行い、本メディアが配信する情報の信頼性と客観性を担保します。

関連記事

宇宙探査・有人宇宙

諏訪理宇宙飛行士とは?世界銀行出身の経歴とISS長期滞在任務

諏訪理宇宙飛行士は世界銀行出身の異色の経歴を持つ人物です。選抜試験の道のりや基礎訓練の内容、ISS長期滞在ミッションまでを詳しく解説します。

Space With 編集部
宇宙探査・有人宇宙

宇宙ステーションきぼうの構造・大きさ・実験まで詳しく解説

宇宙ステーションきぼうは日本が提供する実験モジュールです。構造や大きさ、実験内容、宇宙飛行士たちの貢献までをより詳しく丁寧に解説します。

Space With 編集部
宇宙探査・有人宇宙

宇宙飛行士の年収はいくら?JAXAとNASAの給料や手当を解説

宇宙飛行士の年収をJAXA職員の平均年収や給与の仕組み、手当、学歴による違い、NASAなど海外との比較まで解説します。待遇の実態がわかります。

Space With 編集部
宇宙探査・有人宇宙

宇宙旅行のメリット・デメリットとは?費用や健康リスクを解説

宇宙旅行のメリット・デメリットを解説。無重力体験や経済効果の魅力と費用・健康リスクの注意点を整理し、参加前に確認すべきポイントも紹介します。

Space With 編集部
宇宙探査・有人宇宙

宇宙の車とは?ローバーの種類とトヨタの月面開発動向を解説

宇宙で使われる車はローバーや探査車と呼ばれ、月や火星の表面を探査する車両です。種類やトヨタ・JAXAの開発動向を詳しくわかりやすく解説します。

Space With 編集部
宇宙探査・有人宇宙

月面探査機とは?種類・歴史・日本の技術をわかりやすく解説

月面探査機とは何かを、周回機・着陸機・ローバーの種類や歴史、月面ローバーの仕組み、日本の探査機開発の今後とあわせてわかりやすく解説します。

Space With 編集部

業界の最新情報をメールで受け取る

週1回、注目の調査記事・ウェビナー・ホワイトペーパー情報を編集部がお届けします。

ニュースレターに登録する

広告掲載・タイアップのご相談

記事広告・ホワイトペーパー配布・共催ウェビナーなど、リード獲得につながる多様な広告メニューをご用意しています。

広告掲載を相談する