Space With宇宙ビジネスを、いまデータで加速させる。

前澤友作の宇宙旅行とは?ISS滞在や費用dearMoon中止を解説

宇宙探査・有人宇宙

この記事のポイント

前澤友作は2021年にソユーズMS-20で国際宇宙ステーションへ約12日間滞在し、費用は2人でおよそ100億円規模とされる。月周回計画dearMoonはスターシップの開発遅延で2024年に中止され、2026年時点で次の宇宙計画は未発表。

前澤友作の宇宙旅行とは?ISS滞在や費用dearMoon中止を解説

「前澤友作さんの宇宙への挑戦はどんな内容で、なぜ月旅行は中止になり、今はどうしているのかを知りたい」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • 前澤友作の宇宙挑戦の全体像
  • ISS滞在dearMoon中止費用の事実
  • 現在の活動と今後の見通し

前澤友作さんは2021年に国際宇宙ステーションへ12日間滞在し、月周回計画dearMoonは2024年に中止となりました。

本記事を読むことで、前澤さんの宇宙旅行の費用や月旅行が中止された理由、そして今後ふたたび宇宙を目指す可能性までが整理して理解できます。ぜひ最後まで読み進めてください。

前澤友作の宇宙への挑戦とは

前澤友作さんの宇宙への挑戦は、国際宇宙ステーションへの滞在と月周回計画という二つの大きなプロジェクトで構成されています。実業家として築いた資産を投じ、民間人による宇宙旅行の可能性を日本から示そうとした点に特徴があります。

前澤さんはファッション通販サイトを運営するZOZOの創業者として知られ、その資金力を背景に個人で宇宙を目指しました。ここでは宇宙を目指すまでの歩みと、二つのプロジェクトの全体像、そして挑戦にこめた思いを順に見ていきます。

ZOZO創業から宇宙を目指すまでの歩み

前澤友作さんが宇宙を目指せた背景には、実業家としての大きな成功があります。理由は、宇宙旅行には数十億円規模の費用がかかり、個人で負担できる資産が前提になるためです。

前澤さんは1998年にスタートトゥデイを設立し、ファッション通販サイトのZOZOTOWNを国内有数の規模へ成長させました。2019年にZOZOの株式をヤフーへ売却したことで多額の資産を得ており、フォーブスの長者番付では2020年時点で保有資産が20億ドル規模と伝えられています。

こうした資金力があったからこそ、前澤さんは自費での宇宙旅行という大きな挑戦に踏み出せました。宇宙への夢は資産だけでなく、幼い頃からの好奇心にも支えられています。

二つの宇宙プロジェクトの全体像

前澤友作さんの宇宙計画は、性格の異なる二つのプロジェクトに分かれます。一つは実際に飛行が実現した国際宇宙ステーションへの滞在、もう一つは実現しなかった月周回旅行です。

先に発表されたのは月周回計画で、2018年にスペースXとの契約が公表されました。その後、月へ向かう前の準備という位置づけで、2021年に国際宇宙ステーションへの滞在が先行して実現しています。

プロジェクト内容結果
dearMoonスターシップによる月周回旅行2024年に中止
ソユーズMS-20国際宇宙ステーションへの12日間滞在2021年に実現

このように、月旅行の準備として先に地球周回軌道での宇宙体験を積むという流れが組まれており、前澤さんも宇宙旅行に行った人の一人に名を連ねました。次に、前澤さんが宇宙を目指した目的を見ていきます。

宇宙を目指した目的と思い

前澤友作さんが宇宙を目指した目的は、単なる個人の夢の実現にとどまりません。宇宙をより身近な存在にし、民間宇宙旅行時代の到来を日本から発信することを大きな狙いとしていました。

月周回計画dearMoonの案内役として、前澤さんはまず自分が先に宇宙を体験することで、同行するクルーの不安を和らげたいと考えていました。国際宇宙ステーションへの滞在中には、画家の井田幸昌さんによる作品を持ち込み、station内での常設展示という形でアートと宇宙を結びつける試みも行っています。

前澤さんは帰還後の会見で、宇宙から見た地球の美しさや、国境のない姿に触れて平和への思いを語りました。こうした発信の姿勢が、後の月周回計画にもつながっています。

前澤友作のISS滞在を記録したソユーズMS-20の旅

前澤友作さんの宇宙旅行は、2021年12月にロシアの宇宙船ソユーズMS-20で実現しました。国際宇宙ステーションに12日間滞在し、日本の民間人による宇宙旅行としては31年ぶりの快挙となりました。

この旅には制作アシスタントの平野陽三さんも同行し、滞在の様子を撮影しました。ここでは打ち上げから帰還までの日程、ISSでの過ごし方、そして帰還後の様子を順に紹介します。

打ち上げから帰還までの日程

前澤友作さんを乗せたソユーズMS-20は、2021年12月8日に打ち上げられました。理由をたどると、この日程は数か月にわたる訓練と最終試験を経て確定したものです。

打ち上げは日本時間の12月8日午後4時38分に行われ、同日午後10時41分に国際宇宙ステーションへのドッキングを完了しました。前澤さんは搭乗前の準備として、2021年9月から星の街と呼ばれるガガーリン宇宙飛行士訓練センターで訓練を受け、11月に最終試験へ合格しています。

出来事日付
打ち上げ2021年12月8日
ISSへドッキング2021年12月8日
地球へ帰還2021年12月20日

こうして前澤さんは、入念な準備の末に宇宙への扉を開きました。次に、滞在中の過ごし方を見ていきます。

ISSでの12日間の過ごし方

国際宇宙ステーションでの滞在は、およそ12日間に及びました。前澤さんは高度約400kmの軌道上で、地球を眺めながらさまざまな活動に取り組みました。

滞在中は、事前に用意した100項目ほどの「宇宙でやりたいことリスト」に沿って過ごしたと伝えられています。同行した平野陽三さんが撮影を担当し、その映像は後にドキュメンタリー映画へとまとめられました。

前澤さんは1日に何度も訪れる日の出と日の入りの美しさに強く心を動かされたと語っています。この体験が、宇宙を身近に感じてもらいたいという発信につながりました。

帰還後のリハビリと会見での言葉

前澤友作さんと平野陽三さんは、2021年12月20日に地球へ帰還しました。長期間の無重力環境から戻った体を慣らすため、帰還後にはリハビリの期間が設けられました。

二人は訓練施設のあるロシア郊外の星の街へ戻り、2週間から3週間ほどかけて体を地上の重力に順応させました。帰還後の会見で前澤さんは、地球を大事にしようと思ったと述べ、一般人の宇宙旅行が広がるよう多くの人に宇宙へ行ってほしいと語っています。

宇宙から地球を見た経験は、前澤さんの価値観にも影響を与えました。この思いが、次に控えていた月周回計画への意欲を支えていました。

前澤友作の宇宙旅行にかかった費用

前澤友作さんの宇宙旅行にかかった費用は、報道によればおよそ100億円規模とされています。前澤さん自身も、1席でおよそ50億円という金額に触れており、2名分でこの水準になったとみられます。

宇宙旅行の費用は仲介する企業や当時の相場によって変わります。ここでは1席あたりの金額、2人で100億円規模となった背景、そしてISS滞在ツアーの相場との比較を順に整理します。

1席およそ50億円という金額

前澤友作さんは帰還後のインタビューで、宇宙旅行の費用について1席おおよそ50億円という金額を明かしました。理由として、国際宇宙ステーションへの往復と12日間の滞在には、宇宙船の座席確保や訓練費用など多くのコストがかかる点が挙げられます。

この旅は、宇宙旅行の仲介を手がけるスペース・アドベンチャーズを通じて実現しました。前澤さんの費用には、ソユーズ宇宙船の座席、数か月に及ぶ訓練、滞在にかかる各種の手配などが含まれると考えられます。

こうした費用構造から、宇宙旅行が一部の富裕層に限られてきた理由が見えてきます。次に、総額が100億円規模となった背景を見ていきます。

2人で100億円規模となった背景

前澤友作さんの宇宙旅行が総額で100億円規模とされるのは、前澤さんと平野陽三さんの2名が搭乗したためです。1席あたりの費用が2席分積み重なり、大きな金額になりました。

海外メディアの報道でも、2人分の費用は100億円を超える可能性が指摘されています。スペース・アドベンチャーズの担当者は、近年の相場が1席あたり5000万ドルから6000万ドル台へ値上がりしていると説明しており、この水準に照らしても総額は妥当な範囲に収まります。

区分金額の目安
1席あたりおよそ50億円
2席合計およそ100億円規模

このように、同行者を含めたことで費用は倍近くに膨らみました。次に、一般的なISS滞在ツアーの相場と比べてみます。

ISS滞在ツアーの相場との比較

前澤友作さんが支払った金額は、現在の国際宇宙ステーション滞在ツアーの相場ともおおむね一致します。理由は、軌道滞在型の宇宙旅行が依然として最も高額な種類にあたるためです。

2026年時点で、アクシオムスペースなどが提供するISS滞在型ツアーは、1席あたり数千万ドル、日本円でおよそ80億円から100億円規模とされています。前澤さんのソユーズによる旅も、この軌道滞在型に位置づけられます。

宇宙旅行の種類費用の目安
高高度気球型750万円前後から
サブオービタル飛行約9000万円
オービタルISS滞在型80億円から100億円規模

前澤さんの費用は、宇宙旅行がいつからどのように発展してきたかという歴史のなかでも、最上位の価格帯にあたります。こうした高額な費用が、月周回計画の規模の大きさをも物語っていました。

前澤友作が計画した月周回旅行dearMoonの経緯

前澤友作さんが計画した月周回旅行dearMoonは、民間人による月への飛行を目指す壮大なプロジェクトでした。しかし2024年6月、実現の見通しが立たないことを理由に中止が発表されました。

dearMoonはスペースXが開発する大型宇宙船スターシップを使い、月を周回して戻る約1週間の旅を構想していました。ここでは構想からクルー選出までの流れ、中止に至った理由、そして中止が示した課題を順に見ていきます。

dearMoon構想とクルー選出の流れ

dearMoonは2018年に発表された、月を周回する民間飛行プロジェクトです。理由をたどると、前澤友作さんがアートと宇宙を結びつけ、多くの人に夢を届けたいと考えたことが出発点でした。

前澤さんは2018年にスペースXとの月周回飛行契約を公表し、当初は2023年の打ち上げを目標としていました。2021年には世界から搭乗クルーを募集し、249の国と地域からおよそ100万件の応募が集まっています。

2022年12月には、同行するクルーとしてアーティストや写真家など8名と、バックアップ2名が発表されました。選ばれた顔ぶれには、音楽プロデューサーのスティーヴ・アオキさんらが含まれています。

2024年に中止となった理由

dearMoonの中止は、2024年6月1日に発表されました。最大の理由は、飛行に使うスターシップの開発が計画どおりに進まず、実現の時期が見通せなくなったことにあります。

プロジェクト側は、2023年内の打ち上げを目指してスペースXと調整を続けたものの実現せず、近い将来の見通しも不明瞭になったと説明しています。前澤さん自身も、このままでは人生計画が立てられず、誘ったクルーをこれ以上待たせられないとの思いを語りました。

スターシップはこの時点で飛行試験を数回重ねた段階で、有人飛行が可能な水準には達していませんでした。開発の遅れが、計画全体の断念につながりました。

中止が浮き彫りにした課題

dearMoonの中止は、民間主導の宇宙開発が抱える難しさを浮き彫りにしました。理由は、新しい宇宙船の開発スケジュールが個人の計画では制御しにくい部分にあたるためです。

月周回のような前例の少ない挑戦は、機体の開発状況に大きく左右されます。資金を用意できても、肝心の宇宙船が完成しなければ飛行は実現しないという現実が、今回の中止からうかがえます。

項目内容
発表2018年
クルー発表2022年12月
中止2024年6月

この経験は、前澤さん個人だけでなく、民間宇宙旅行全体にとっても教訓となりました。こうした流れをふまえ、次に前澤さんの現在と今後を見ていきます。

前澤友作の宇宙に関する現在と今後

前澤友作さんは月周回計画の中止後、新しい事業に軸足を移しています。ただし宇宙への意欲を完全に断ち切ったわけではなく、再挑戦の可能性は残されています。

民間宇宙旅行の市場は2026年も拡大を続けており、前澤さんがふたたび宇宙を目指す環境は整いつつあります。ここでは中止後の活動、市場の広がり、そして今後の見通しを順に整理します。

dearMoon中止後の事業と活動

dearMoonの中止後、前澤友作さんは新事業のカブアンドに力を注いでいます。理由は、宇宙計画がいったん区切りを迎えたことで、実業家としての活動へ改めて集中する時間ができたためです。

カブアンドは2024年11月に始まった事業で、生活に必要なサービスの利用を通じて株式を受け取れる仕組みを掲げています。2026年4月時点で株主はおよそ82万人に達し、最短で2026年10月の上場を目標としています。

前澤さんは現在この事業の成長に注力しています。一方で、宇宙への夢そのものを取り下げたとは公言していません。

広がる民間宇宙旅行市場

民間の宇宙旅行の市場は、2026年も着実に広がっています。理由は、複数の企業が有人飛行を競い、機体の再使用によって費用が下がる方向にあるためです。

アクシオムスペースによる国際宇宙ステーション滞在ツアーや、サブオービタル飛行を手がける各社の動きが続いています。前澤さんが挑んだ軌道滞在型に加え、より手頃な高高度気球型やサブオービタル飛行など、体験の選択肢も増えてきました。

こうした市場の成熟は、将来的に前澤さんが再び宇宙を目指す際の追い風になり得ます。次に、再挑戦の可能性を見ていきます。

再挑戦の可能性と今後の見通し

前澤友作さんが今後ふたたび宇宙へ挑む可能性は、現時点で否定されていません。dearMoonの中止はあくまでスターシップの開発遅れが理由であり、宇宙旅行そのものへの意欲が失われたわけではないためです。

2026年時点で、前澤さんから次の具体的な宇宙計画は公表されていません。当面はカブアンドの上場を見据えた事業運営を優先する見通しですが、スターシップの開発が進めば状況が変わる可能性もあります。

これらは未確定の将来の見通しであり、今後の発表を注視する必要があります。前澤さんの宇宙への挑戦は、一区切りを迎えつつも完全には終わっていません。

まとめ:前澤友作の宇宙挑戦はISS滞在の実現と月旅行dearMoonの中止を経て今も続く

本記事では、前澤友作さんの宇宙への挑戦について、ISS滞在の記録や宇宙旅行の費用、月周回計画dearMoonの中止、そして現在と今後の見通しまでを解説してきました。前澤さんは2021年に国際宇宙ステーションへ12日間滞在した一方、月を目指したdearMoonは2024年に中止しています。

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • 前澤友作は2021年にISSへ12日間滞在した
  • 宇宙旅行の費用は2人でおよそ100億円規模とされる
  • 月周回計画dearMoonは2024年に中止された

前澤さんの宇宙挑戦の全体像を知ることで、民間宇宙旅行の現在地や費用感、実現の難しさまでが具体的につかめたのではないでしょうか。

宇宙旅行はまだ発展の途上にあり、前澤さんの今後の動向とあわせて市場も変化を続けていきます。宇宙ビジネスや宇宙旅行についてさらにくわしく知りたい方は、ぜひ当メディアの情報もあわせてご活用ください。

前澤 宇宙に関するよくある質問

参考文献

  1. ソユーズMS-20宇宙船(66S)ミッション|JAXA 有人宇宙技術部門
  2. dearMoon Project 公式サイト
  3. 有人宇宙輸送に係る今後の進め方について|内閣府 宇宙開発戦略推進事務局

この記事を引用する

執筆者

Space With 編集部
Space With 編集部

編集部

「宇宙ビジネスを、ビジネスとして読む。」をコンセプトに、国内外の宇宙産業(衛星・ロケット・宇宙データ・月面開発等)の動向を追う専門記者・アナリスト集団。AI時代に信頼される一次情報源を目指し、ファクトとデータに基づく客観的な分析・解説を日々お届けします。

監修者

Space With リサーチチーム
Space With リサーチチーム

リサーチチーム

専門アナリストらと提携し、データ収集・分析を行うSpace Withの専門調査部門。国内外の宇宙政策、政府予算、資金調達動向、技術トレンドの定量的な分析とファクトチェックを行い、本メディアが配信する情報の信頼性と客観性を担保します。

関連記事

宇宙探査・有人宇宙

諏訪理宇宙飛行士とは?世界銀行出身の経歴とISS長期滞在任務

諏訪理宇宙飛行士は世界銀行出身の異色の経歴を持つ人物です。選抜試験の道のりや基礎訓練の内容、ISS長期滞在ミッションまでを詳しく解説します。

Space With 編集部
宇宙探査・有人宇宙

宇宙ステーションきぼうの構造・大きさ・実験まで詳しく解説

宇宙ステーションきぼうは日本が提供する実験モジュールです。構造や大きさ、実験内容、宇宙飛行士たちの貢献までをより詳しく丁寧に解説します。

Space With 編集部
宇宙探査・有人宇宙

宇宙飛行士の年収はいくら?JAXAとNASAの給料や手当を解説

宇宙飛行士の年収をJAXA職員の平均年収や給与の仕組み、手当、学歴による違い、NASAなど海外との比較まで解説します。待遇の実態がわかります。

Space With 編集部
宇宙探査・有人宇宙

宇宙旅行のメリット・デメリットとは?費用や健康リスクを解説

宇宙旅行のメリット・デメリットを解説。無重力体験や経済効果の魅力と費用・健康リスクの注意点を整理し、参加前に確認すべきポイントも紹介します。

Space With 編集部
宇宙探査・有人宇宙

宇宙の車とは?ローバーの種類とトヨタの月面開発動向を解説

宇宙で使われる車はローバーや探査車と呼ばれ、月や火星の表面を探査する車両です。種類やトヨタ・JAXAの開発動向を詳しくわかりやすく解説します。

Space With 編集部
宇宙探査・有人宇宙

月面探査機とは?種類・歴史・日本の技術をわかりやすく解説

月面探査機とは何かを、周回機・着陸機・ローバーの種類や歴史、月面ローバーの仕組み、日本の探査機開発の今後とあわせてわかりやすく解説します。

Space With 編集部

業界の最新情報をメールで受け取る

週1回、注目の調査記事・ウェビナー・ホワイトペーパー情報を編集部がお届けします。

ニュースレターに登録する

広告掲載・タイアップのご相談

記事広告・ホワイトペーパー配布・共催ウェビナーなど、リード獲得につながる多様な広告メニューをご用意しています。

広告掲載を相談する