Space With宇宙ビジネスを、いまデータで加速させる。

大西卓哉宇宙飛行士とは?経歴・家族・年収・船長就任を解説

宇宙探査・有人宇宙

この記事のポイント

大西卓哉宇宙飛行士は東京大学卒業後にANA副操縦士を経て2009年にJAXA宇宙飛行士候補者となり、2016年に日本人初のシグナス補給船キャプチャを遂行、2025年にはCrew-10で日本人3人目のISS船長に就任し8月に帰還した。

大西卓哉宇宙飛行士とは?経歴・家族・年収・船長就任を解説

「大西卓哉という宇宙飛行士がどんな経歴を持ち、なぜ宇宙飛行士になったのか知りたい。2025年にISS船長を務めたことについても詳しく知りたい」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • 大西卓哉のプロフィールと経歴
  • 宇宙飛行士になるまでの道のりとミッション実績
  • 家族構成と現在の活動

大西卓哉は、ANAの副操縦士からJAXA宇宙飛行士へ転身し、2025年に日本人3人目のISS船長を務めた人物です。東京大学で航空宇宙工学を学び、映画をきっかけに宇宙への道を志しました。

本記事を読めば、経歴からミッション実績、家族や現在の活動までの全体像がつかめます。日本人宇宙飛行士の歩みを知る手がかりにもなるので、ぜひ最後まで読み進めてください。

大西卓哉宇宙飛行士とは?経歴とプロフィール

大西卓哉は、JAXA有人宇宙技術部門に所属する宇宙飛行士です。もとは全日本空輸で旅客機を操縦していたパイロットで、民間航空の現場から宇宙飛行士へ転身した経歴を持ちます。

ここでは生年月日や出身地といった基本情報から、東京大学での学歴、ANAでの副操縦士時代までをまとめて紹介します。

生年月日と出身地

大西卓哉は1975年12月22日、東京都で生まれました。2026年時点で50歳を迎えています。

目黒区立宮前小学校、成蹊中学・高等学校を経て進学しており、幼いころから航空や宇宙への関心を持っていたことがうかがえます。

項目内容
生年月日1975年12月22日
出身地東京都
出身大学東京大学工学部航空宇宙工学科
前職全日本空輸 副操縦士
所属JAXA有人宇宙技術部門

東京大学での学歴

大西卓哉は東京大学工学部航空宇宙工学科に進学し、1998年3月に卒業しました。学生時代から航空機や宇宙工学に関する専門知識を積み上げています。

在学中は鳥人間コンテストへの出場経験もあり、実際に機体を設計・製作する活動にも取り組んでいました。ここで培った実践を重視する姿勢は、後の宇宙での交信方法の運用をはじめとする複雑なミッションでも活かされています。

ANA副操縦士時代の経歴

大西卓哉は大学卒業と同じ1998年に全日本空輸へ入社しました。ボーイング767型機の副操縦士として、国内線と国際線の両方で運航業務を担当しています。

パイロットとしてのキャリアを積む中で、後にJAXA宇宙飛行士候補者選抜へ応募する転機を迎えます。航空機の操縦経験は、宇宙船の操作やミッション遂行能力を評価するうえでも高く評価されたポイントです。

大西卓哉が宇宙飛行士になるまでの道のり

大西卓哉が宇宙飛行士を志したきっかけは、意外にも大学時代に観たある映画でした。パイロットという安定したキャリアを持ちながら、新たな挑戦へ踏み出した経緯を見ていきます。

ここでは志望のきっかけ、JAXA宇宙飛行士候補者選抜の過程、そして訓練を経て正式な宇宙飛行士に認定されるまでの流れを紹介します。

映画アポロ13がきっかけ

大西卓哉が宇宙飛行士を意識し始めたのは、大学在学中に映画「アポロ13」を観たことがきっかけです。事故に見舞われながらも生還を果たす乗組員の姿に強く心を動かされました。

その後ANAでパイロットとして働いていた際、宇宙飛行士選抜試験の新聞広告を目にしたことが、応募を決意する直接のきっかけになります。民間航空の現場で培った経験を、宇宙という新たな舞台で活かそうと考えた転機です。

JAXA宇宙飛行士候補者に選抜される

大西卓哉は2009年2月、JAXA第31期宇宙飛行士候補者に選抜されました。この期の選抜では、将来的にISS船長を担える人材を求める意図があったとされています。

かつての秋山豊寛宇宙飛行士のようなジャーナリスト出身者とは異なり、最終選考には現役パイロットが複数残っており、大西卓哉のほか油井亀美也、第1補欠となった金井宣茂が候補者入りを果たしました。パイロットとしての操縦経験や判断力が、選考で評価された点のひとつです。

訓練を経て正式認定

選抜後、大西卓哉は基礎訓練を積み重ねました。そして2011年7月、基礎訓練を終えてJAXA宇宙飛行士として正式に認定されています。

認定後も実践的な訓練は続き、2011年10月にはフロリダ州の海底でNASAの極限環境ミッション運用訓練に参加しました。ここから、実際のミッションに向けた本格的な準備が始まります。

大西卓哉宇宙飛行士のミッション実績

大西卓哉は、これまでに2回のISS長期滞在を経験しています。1回目は搭乗員として、2回目はISS船長として、それぞれ異なる立場でミッションに臨みました。

ここでは初めての長期滞在から日本人初の実績、そして2025年に果たした船長就任と帰還までの歩みを順に紹介します。

ISS第48次/49次長期滞在

大西卓哉は2016年7月、ソユーズMS-01宇宙船でカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられました。ロシアのアナトリー・イヴァニシン、アメリカのキャスリーン・ルビンズとともに、ISS第48次/第49次長期滞在クルーのフライトエンジニアを務めています。

この滞在は約113日間に及び、日本の実験棟「きぼう」を拠点とした技術実証や科学実験に取り組みました。同年10月にソユーズで地球へ帰還しています。

日本人初のシグナス補給船キャプチャ

大西卓哉は1回目のISS滞在中、米国の民間物資補給機「シグナス」6号機をロボットアームで捕捉する作業を行いました。この捕捉作業を担ったのは、日本人宇宙飛行士として初めてのことです。

補給船のキャプチャは、ISSの物資補給を支える重要な技術的作業です。向井千秋宇宙飛行士らの時代から蓄積されてきたロボットアーム技術が活かされ、繊細な操作が求められる場面で確実に任務を遂行したことが、その後の船長就任にもつながる評価につながりました。

Crew-10搭乗とISS船長就任

大西卓哉は2025年3月、スペースXのクルードラゴン宇宙船「Crew-10」に搭乗し、ISS第72次/第73次長期滞在クルーとしてISSへ向かいました。今回は指揮を執る立場での参加です。

2025年4月18日、大西卓哉はISSの指揮権を継承し、日本時間4月19日にコマンダー交代のセレモニーが行われました。日本人としては、2014年の若田光一、2021年の星出彰彦に続く3人目のISS船長就任です。搭乗員の安全確保とミッション全体の成功に向けて、ISS全体を統括する重要な役割を担いました。

帰還と通算宇宙滞在時間

Crew-10ミッションは約147.7日間に及び、うちISSでの滞在は約145.8日間でした。大西卓哉は2025年8月10日、アメリカ西海岸沖でクルードラゴン宇宙船とともに帰還しています。

この帰還は、NASAの有人クルードラゴン宇宙船として初めて米国西海岸に着水した事例となりました。2回のミッションを合わせた大西卓哉の通算宇宙滞在時間は約262.8日となり、日本人宇宙飛行士の中でも上位の記録です。

大西卓哉の家族と現在の活動

大西卓哉は宇宙飛行士としての実績だけでなく、家庭を持つひとりの父親でもあります。ここでは家族構成や年収に関する情報、そして現在取り組んでいる活動についてまとめます。

なお家族や年収に関する情報は非公開の部分も多く、報道や関係者の証言をもとにした内容である点に留意してください。

妻と子供について

大西卓哉は2009年4月に結婚しました。妻は一般人で、詳しいプロフィールは公表されていません。

2010年に長女、2015年に長男が誕生しています。2016年に初めて宇宙へ飛び立った際には、当時6歳だった長女がお守り代わりにぬいぐるみを託したというエピソードも伝えられています。

年収はどのくらいか

大西卓哉はJAXA職員として給与を受け取っており、報道によれば基本的な年収はおよそ800万円から1000万円程度と推測されています。野口聡一宇宙飛行士など他の飛行士と同様に、著書の印税や講演料などを含めると、1500万円以上になるとの見方もあります。

正確な年収額は公表されていないため、あくまで報道や推測に基づく参考値として捉える必要があります。

現在の活動とSNS発信

大西卓哉は2025年8月の帰還後、ISS滞在で取り組んだ実験や船長としての経験について、報告会や記者会見を通じて発信を続けています。日本の実験棟「きぼう」での成果を伝える活動にも力を入れています。

SNSでは、X(旧Twitter)の公式アカウントとInstagramを通じて訓練や日常の様子を発信中です。JAXA内外での講演活動も継続しており、同僚の諏訪理宇宙飛行士らとともに、宇宙飛行士の年収や待遇、日々の訓練にいたるまで、自身の経験を次世代へ伝える役割を担っています。

まとめ:大西卓哉は東大出身のANAパイロットから船長を務めた宇宙飛行士

本記事では、宇宙飛行士の大西卓哉について、プロフィールや経歴、宇宙飛行士になるまでの道のり、ミッション実績、そして家族と現在の活動までを解説してきました。ANAの副操縦士から東京大学で培った航空宇宙工学の知識を活かし、2025年には日本人3人目のISS船長を務めています。

本記事のポイントをおさらいします。

本記事のポイント

  • 大西卓哉は東京大学卒業後ANA副操縦士を経てJAXA宇宙飛行士になった
  • 2016年の初滞在で日本人初のシグナス補給船キャプチャを遂行した
  • 2025年にCrew-10へ搭乗し日本人3人目のISS船長に就任した

大西卓哉の歩みを通して、民間パイロットから宇宙飛行士へと進んだキャリアの道筋と、日本人が担ってきたISS船長という役割の重みが伝わったのではないでしょうか。

宇宙開発や宇宙ビジネスの最新動向について、さらに詳しく知りたい方は、ぜひ当メディアの情報もあわせてご活用ください。

大西卓哉宇宙飛行士に関するよくある質問

参考文献

  1. 大西 卓哉 宇宙飛行士|JAXA 有人宇宙技術部門
  2. JAXA|大西卓哉宇宙飛行士のISS船長(ISSコマンダー)就任
  3. JAXA|国際宇宙ステーション長期滞在クルー 大西卓哉宇宙飛行士搭乗のクルードラゴン宇宙船(Crew-10)帰還

この記事を引用する

執筆者

Space With 編集部
Space With 編集部

編集部

「宇宙ビジネスを、ビジネスとして読む。」をコンセプトに、国内外の宇宙産業(衛星・ロケット・宇宙データ・月面開発等)の動向を追う専門記者・アナリスト集団。AI時代に信頼される一次情報源を目指し、ファクトとデータに基づく客観的な分析・解説を日々お届けします。

監修者

Space With リサーチチーム
Space With リサーチチーム

リサーチチーム

専門アナリストらと提携し、データ収集・分析を行うSpace Withの専門調査部門。国内外の宇宙政策、政府予算、資金調達動向、技術トレンドの定量的な分析とファクトチェックを行い、本メディアが配信する情報の信頼性と客観性を担保します。

関連記事

宇宙探査・有人宇宙

諏訪理宇宙飛行士とは?世界銀行出身の経歴とISS長期滞在任務

諏訪理宇宙飛行士は世界銀行出身の異色の経歴を持つ人物です。選抜試験の道のりや基礎訓練の内容、ISS長期滞在ミッションまでを詳しく解説します。

Space With 編集部
宇宙探査・有人宇宙

宇宙ステーションきぼうの構造・大きさ・実験まで詳しく解説

宇宙ステーションきぼうは日本が提供する実験モジュールです。構造や大きさ、実験内容、宇宙飛行士たちの貢献までをより詳しく丁寧に解説します。

Space With 編集部
宇宙探査・有人宇宙

宇宙飛行士の年収はいくら?JAXAとNASAの給料や手当を解説

宇宙飛行士の年収をJAXA職員の平均年収や給与の仕組み、手当、学歴による違い、NASAなど海外との比較まで解説します。待遇の実態がわかります。

Space With 編集部
宇宙探査・有人宇宙

宇宙旅行のメリット・デメリットとは?費用や健康リスクを解説

宇宙旅行のメリット・デメリットを解説。無重力体験や経済効果の魅力と費用・健康リスクの注意点を整理し、参加前に確認すべきポイントも紹介します。

Space With 編集部
宇宙探査・有人宇宙

宇宙の車とは?ローバーの種類とトヨタの月面開発動向を解説

宇宙で使われる車はローバーや探査車と呼ばれ、月や火星の表面を探査する車両です。種類やトヨタ・JAXAの開発動向を詳しくわかりやすく解説します。

Space With 編集部
宇宙探査・有人宇宙

月面探査機とは?種類・歴史・日本の技術をわかりやすく解説

月面探査機とは何かを、周回機・着陸機・ローバーの種類や歴史、月面ローバーの仕組み、日本の探査機開発の今後とあわせてわかりやすく解説します。

Space With 編集部

業界の最新情報をメールで受け取る

週1回、注目の調査記事・ウェビナー・ホワイトペーパー情報を編集部がお届けします。

ニュースレターに登録する

広告掲載・タイアップのご相談

記事広告・ホワイトペーパー配布・共催ウェビナーなど、リード獲得につながる多様な広告メニューをご用意しています。

広告掲載を相談する